動画制作を外注せずに、社内で製作しているところが増えています。4割ほどの企業では内製しているそうです。AIによる編集で、プロっぽく仕上げることができますが、撮影は自撮りするか、誰かの手を借りなければなりません。編集でプロっぽくできるといっても、映像素材は自分たちで調達せねばならないのです。
ちょっとしたポイントさえ押さえれば、ぐっと見やすくなりますし、よりプロっぽくなります。
ツール 編
撮影するための機材を揃えます。カメラ以外にあればいい物の筆頭は、三脚です。カメラを安定させるための三脚は、撮影時の負担を軽減してくれます。撮影中にいろいろと気をつけることが複数あります。
まず、
画角、撮影したい対象物がちゃんと撮れているか、
ピンが合っているか、
手ブレはないか、
逆光になっていないか、
暗くないか、
音は録れているか、など。
撮影中に、これらを同時に意識すると、肝心な撮りたいものが撮れているかどうか、への意識が疎かになってしまうのです。撮りたいものが、ちゃんと撮るためには、道具に頼るべき。それほど長い時間撮影しないからと思って、手で持ち続けても、1~2分程度しか持ちません。カメラはどんなに軽くても、持ち続けるとしんどくなりますし、手が震えてきて、ブレてきます。よく運動会の徒競走など、撮影対象が遠方でズームでとらえる場合は、少しの震えが、ズームの倍率と同じだけ震えも大きくなって、見づらくなります。
撮影前の準備 編
スマホであれ、カメラであれ、撮影スイッチを押すだけで撮れちゃうのですが、その前に準備をしておくことで、仕上がりに差がでます。
モノを撮影する場合。
棚やテーブルに置いてあるモノが対象だとします。その周辺に生活感があるものは取り除きます。例えば、ペットボトルやコップ。新聞やチラシ、手紙や資料などの紙もの。ペンやハサミ、イヤホンなどの文具や小物。配線やコードの類。テーブルなら、何もおかずに、撮影したい対象物だけおきます。周辺が寂しいなら、テーブルクロスやマットを敷いたり、置物や花瓶や調味料などを置いたり、そのモノが引き立つような小道具を配置します。
そして、カメラは三脚を立てて固定します。三脚がなくて、手で持つなら、脇を締めて両手で持ちます。
カメラは水平にセットします。スマホやカメラにも水平をとる機能がついています。撮影する前に水平線をモニターに出してみて、確認します。
できれば、午前中に撮影しましょう。自然光に優る照明はありません。自然の光が当あてると、モノに光の表情が生れます。人も同様です。自然光がないなら、部屋中の灯りをつけてみます。間接照明も、スタンドも全てつけてみて、ベストな当たり具合を探します。
撮影前に、もうひと手間。ホワイトバランスをとります。特に、室内が蛍光灯の場合です。カメラのメニューのなかに、ホワイトバランス、あるいは、頭文字をとったWBがあるはず。カメラ前に白い紙を貼るか、誰かに持ってもらいます。白い紙はノートやスケッチブックで大丈夫です。そしてホワイトバランスに合せてボタンを押すと、カメラが自動的にホワイトを合せてくれます。そこでホールドしておけばOKです。
喋りも録る場合
撮影対象者が話したり、会話も録りたいときは、周辺の音がマイクに入ってこないように音環境にも気をつかいます。カメラについているマイクはどんな音も均等にひろってしまいます。テレビやラジオの音源を切る。外で鳴っている救急車のサイレンの音などは通り過ぎるまで待ちます。会社内で撮影する場合は、電話が鳴る音や周囲の話す声、電子音などのノイズがなるべく入らないところで撮影します。声はいつもよりも少し張ってもらいましょう。ハキハキ喋ることを意識してもらいます。
音がちゃんと録れているかどうか、音量レベルのグラフが出る機能がついているので、チェックしておきます。喋っているときに音量レベルが振れていれば、音が録れているはずです。
ここまでやって、ようやく撮影します。
撮影中は、できる限り、カメラを動かさないこと。パーン(カメラを固定して左右横に、あるいは上下縦に動かすこと)やズーム(カメラレンズを調整してある焦点にズームインしたり、そこから広い画角へズームアウトすること)はやらない方がいいです。なぜなら、手のブレがそのまま影響されるので、スムーズな動きにならず、たどたどしい動きになったり、映像がブレたりします。早すぎたり、遅すぎたり、生理的につらい映像になりがちです。
なにかによりたい、引きたいなら、歩いて近寄る、後ずさって離れる方が、あとで編集するときに使い勝手がいい映像になります。
パーンやズームをするときは、カメラの動き始めと動き終わりに、10秒くらいそのままのサイズで撮り続けます。そして、右へパーンしたら、その逆パーン、ズームインしたら、そのままズームアウト、を撮っておきます。
パーンをしようと思ったら、
動き始め10秒撮影してから、右へパーンして、10秒そのまま、そして左へパーンして10秒そのまま撮って、オフにします。
Comments